北海道養老牧場巡りの旅　④

最後に訪れたのは、ヴェルサイユリゾートファームです。
こちらはご存じの方も多いと思いますが、種牡馬や繁殖を引退した有名な馬が何頭も余生を過ごしており、保護活動においても最前線にいる牧場です。
訪問するのは初めてでしたが、最初に驚いたのは入り口から名馬が並んでいて、一般の人が見学をしたり、写真撮影をしていることでした。(受け付けは必要です)
有名な馬に限らず、馬がいる施設ではルールを守らない見物人がトラブルを起こすことは多いのですが、それを承知でオープンにしていることに驚きました。
奥に進んで見えてきた光景は外国の牧場のような雰囲気で、牧場というよりは観光施設という感じでした。
カフェや宿泊施設もあり、新しい馬の施設を体験しました。

スタッフの方に放牧地を案内していただき、エリアごとに馬達を紹介していただきました。
先が見えないほどの広大な敷地にたっぷりと生え揃った青草があり、馬達は常に青草を食べ続けながらのんびりと過ごしていました。
見るからに養老生活を満喫しているといった感じで、それぞれが自由に過ごしていて、お腹がぽっこりしている子が多いのが印象的でした。
一通り見学をさせていただくと、スタッフさんからコーヒーをいただき、外でヨギボー(クッション)に座りながら牧場のワンちゃんと一緒に放牧地で過ごす馬達を眺めていました。
ただ馬を眺めるという穏やかでゆったりとした時間が流れていき、あっという間に陽が沈み始めました。

代表の岩崎さんとは面識がなかったのでご挨拶をしたいと思っていましたが、とても忙しかったようですが「少しなら」とのことで、帰り際に何とか時間を取っていただき、会うことができました。
指定場所に向かうと、大きなユンボを自ら操縦して作業をされていました。
お話を聞いたところ、「冬になると地面が固まってしまってできない作業が増えてきます。なので、今は時間との闘いなのです」とのことでした。
スタッフさんや業者に頼むのではなく、極力自分で動いてやれることはやるという考えだそうです。
牧場を始めてからわずか数年の間にここまで大きくされたのは、自らの行動力とカリスマ性、周りからの信頼による協力の結果なのだろうと感じました。
完全に陽が沈む前に作業を終わらせたいという雰囲気でしたので、早く切り上げなくてはと思って慌てて話をしてしまったせいで、岩崎さんからすれば「この人は何を言っているのだろう?」と感じたと思いますが、嫌な顔せずに話を聞いてくださいましたが、今思い返しても恥ずかしい限りです・・。

１６時になるとすっかり暗くなってきたので早めに空港に向かい、帰路につきました。
やはり馬関係の人と話をしたり、施設見学をしていると時間が経つのがあっという間だと感じながらも中身の濃い養老牧場巡りの旅ができ、今後の保護活動における勉強になりました。