軽井沢から心を寄せて：四国のツキノワグマの未来を考える「しこくまワークショップ」

いつもベアドッグの活動にご関心をお寄せいただき、ありがとうございます。

軽井沢ではクワの実が最も良い季節を迎え、今年も豊作のようです。

きっとクマたちも、おいしいクワの実を一生懸命に探して食べていることでしょう。

このように、私たちがクマを身近な存在として、自然の恵みと、時にはその脅威を感じる一方で、四国ではツキノワグマが絶滅の危機に瀕していることをご存知でしょうか。

今回は、四国のツキノワグマとの未来を考える大切なプロジェクト、「しこくまワークショップ 四国のツキノワグマの未来を考える！」をみなさまにご紹介させてください。

********************************

プロジェクト名：「しこくまワークショップ 四国のツキノワグマの未来を考え
る！」

プロジェクトURL：https://x.gd/eNeci

プロジェクト概要：
全国でクマ類と人との軋轢が深刻化する中、四国では人工林の拡大や駆除が影響し、
現在の20頭程度にまで生息数を減らしました。2000年代以降、当センターや関係機関
の連携のもと、生態調査と保全活動が続けられてきましたが、望ましい規模とスピー
ド感で取り組みを進めることはできていません。
生息数が少なくなり、人とクマの関係性が物理的にも精神的にも途絶した四国では、
山間地域でもクマの生息を気にする人は多くありません。それゆえ、絶滅回避の取り
組みへの関心は低く、さらに、人とクマのトラブルを起こさないための方策や、万が
一のトラブルに対応する体制は十分に整備されず、持続的な共存策も持ち合わせてい
ません。
このままでは、絶滅する可能性を知っていながら、必要な行動を起こせないまま、た
だ時が過ぎるだけとなってしまいます。

そこで当プロジェクトでは、IUCN（国際自然保護連合）のCPSG（保全計画専門家グ
ループ）の協力を得て、今年度8月と1月に地域とツキノワグマの「適正」な関係を話
し合う「しこくまワークショップ」と名付けた、保全計画づくりワークショップの開
催を企画しています。
しこくまワークショップでは、クマ類や生態学に精通する専門家だけでなく、四国の
ツキノワグマに関わるできる限り全ての地域の関係者を集め、3～4日間にわたり情報
を共有しながら話し合う場を設けます。世界各国で絶滅危惧種の保全計画作成を支援
してきた経験豊富なCPSGの進行により、ワークショップに参加する全員がそれぞれの
立場から意見を出し合い、「できること」を考え、その結論を四国のツキノワグマの
保全計画として取りまとめます。
この取り組みは、今後の四国の人とクマの関係性を形作る大切なスタート地点になる
と期待しています。四国の様々な分野の人々が連携する活動基盤を作るとともに、絶
滅回避と軋轢回避のための具体策を同時に考える四国の姿を国内外に積極的に発信し
ていきたいと考えています。

********************************

ピッキオのスタッフも過去に四国での生態調査に参加しました。

本州と四国、状況は違えど、人とクマのよりよい未来を目指すという意味では、私たちピッキオと同じ志のプロジェクトです。

プロジェクトの成功を祈ります。