【女子大生の挑戦 in ネパール農村】豪雨被害からの農業復興

支援総額

584,000

目標金額 320,000円

支援者
88人
募集終了日
2025年1月31日

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2025年06月22日 20:00

【農業訓練:防災マップ作り】

ナマステ!新潟県立大学国際ボランティアサークルRUENGの服部千寛、佐藤まゆりです。

 

5月24日(土)日本時間14時15分〜18時30分(ネパール時間11時~15時15分)ごろ、クラウドファンディング事業の一環である「農業訓練」がネパール・レレにて行われました。この農業訓練、及び農業訓練に関わる話し合いには、私たちもzoomを通じて参加させていただき、本番の農業訓練ではプロジェクトへの想いや背景を簡単なネパール語でお話させてもらったほか、訓練の一部始終の様子を見ることが出来ました。

 

-----------------------------⇩以下、今回の農業訓練の概要です--------------------------------------

 

【目的】

 昨年9月に発生したレレの豪雨被害の復興支援一環として訓練実施

・レレの地図に被害状況などを記載する防災マップ作り(DIG・防災すごろく)

・減農薬を目指して植物性殺虫剤作りの方法を農家さんに伝える

 

【講師】

・JOCV 山下 順さん(シンドパルチョークで防災教育活動)

・Love Green Nepal フィールドリーダー 

 Devi Prasad Gautamさん(植物性農薬作りの研修ご担当)

 

【運営】

・JOCV 榎本 未希さん

・Rupa Thapaさん(フィールドコーディネーター)

 

【参加人数】

33名(参加予定人数35人)※多くは女性農家さん

クラウドファンディング事業ビニールトンネル支援対象農家さん3名



今回の活動報告では、農業訓練の内容である

 

・防災マップ作り

・植物性殺虫剤作り

 

の2つについて、内容や様子を2回に分けてご紹介させていただきます。

第1段は、防災マップ作りについてです。

 

【防災マップ作り】

 

 今回の農業訓練の一環として、昨年9月に発生した大豪雨による被害をテーマに、レレの農家の方々で防災マップの作成を行いました。参加者は10人前後のグループに分かれ、それぞれ洪水や土砂崩れといった被害のあった場所、被害の程度を地図に書き込んでいきました。

 

 この訓練手法は「災害図上訓練」、通称「DIGDisaster-Imagination-Game)と呼ばれるものです。それぞれの単語と、頭文字を取ってできた「DIG」(掘る)という単語の意味をかけ合わせて、「災害を理解する」「まちを探究する」「防災意識を掘り起こす」ことを目的としています。

 

(参考:総務省消防庁 https://www.fdma.go.jp/relocation/e-college/cat66/cat62/cat57/2dig.html

 

 この作業の中では、地域の方々だからこそ知っている灌漑用水の氾濫や土砂崩れ、見落とされがちな小さな穴や地盤のゆるみといった、土地の特性や人の暮らしに深く根付いた危険箇所が詳しく確認されていました。地域内でどこが危険なのかを共有、そして可視化し、災害に対する意識を高める貴重な機会になったのではないかと思います。

 

 

また、訓練の中では、「防災すごろく」のゲームを通して災害の際の行動の仕方をゲーム形式で学びました。この防災すごろくは、正式には「蛇と梯子」と呼ばれるインド発祥のゲームを元にしています。ルールはすごろく同様、さいころをふって自分のコマを進め、先にゴールした人の勝利です。蛇のマスには悪行、梯子のマスには善行がかかれており、それぞれすごろくでいう「何マスすすむ、戻る」にあたります。移動先のマスには原因となる行為の結果が書かれており、因果応報について学ぶことのできる道徳教材だそうです。(⇩すごろく写真)

 

 

この防災訓練中は、画面越しで見ていても圧倒されるくらい農家の皆さんが終始活発に意見を交わしていたことが印象的でした。自分の家の被害について熱心に語る姿からは、災害被害の大きさとそれぞれの生活への影響や感情が強く伝わってきました。

 

防災訓練を通して訓練中に作成されたマップは、導入段階として農家の皆さんが「自分たちの住んでいるまちについて考える」きっかけを作る大きな一歩となっています。今後、本格的な防災マップを作成するためには回数を重ねながら内容をブラッシュアップしていく必要があり、訓練中に作成されたマップは今後のために保管されている状態だそうです。

 

 ⇩作成された各グループのマップ

 

当初は、農家さんたちが活発に議論しながら作ったマップをすぐに活用できないのだろうか?もったいないな、と私たちは思っていたのですが、今回はあくまで導入段階のため、未完成なままの地図を提示することは誤った情報を共有することにもつながりかねないのだと学びました。また、ネパールでは防災マップやハザードマップの概念自体があまり広まっておらず、地図を通して自分たちの住んでいる場所を見つめなおすことが、防災情報をマップを通して活かしていくために重要な段階であることも実感できました。

 

さらに、後日お話を聞くことで見えてきたのは、ネパールでの防災教育や、防災マップ作りの知識が必要な背景に特有の価値観が影響しているということです。ネパールでは自然災害を「自然の出来事として受け入れる」人が多いそうです。そのため、「災害は起こるもの」「人が亡くなるのも仕方のないこと」とされ、災害を「防ぐもの」、「備えるもの」と捉える意識はまだ身近ではないことがわかりました。

 

 たとえマップを活用したとしても、災害の被害を完全にゼロにすることは難しく、防災に対する意識の改革や効果の実感も難しいでしょう。しかし、防災や減災の意識が幼い頃から教育に組み込まれ、それが社会全体の備えの土台となっている日本に生きる中で、私たちは備えることにより命や生活を守ることのできる可能性があると強く感じています。今回の活動を通して、自分たちの生きる日本社会の背景にも改めて目を向けることができました。

 

また、防災マップを将来掲示する場合、村にある野菜の出荷センターや小学校など、地域の多くの人が目にする場所がふさわしいのではという意見が出てきました。(※村役場の方に依頼して貼ってもらう案もありましたが、地域の行政(役場)の方々にとってはこうした取り組みは「本来の業務外」と見なされてしまい、関心が薄い可能性が高いのだそうです。そのため行政に対して「マップを活用して今後の備えに役立てる」といった“+α”のことを期待するのは、現段階では難しいかもしれません。)

 

 作成した防災マップの元が、今後地域にとって本当に役立つツールとして機能するためにはどうすれば良いか。住民の方々が災害を“避けるもの”として考えられるようになるには、どんな方法が必要か。せっかく農家の方々が真剣に取り組んで作ったマップを何らかの形で活かすためにも、今後の提案や方法を考えていきたいと思います。

 

 また、防災マップ作りの講師を務めてくださった山下さんは、今回の訓練のためにシンドバルチョークからレレにお越しくださいました。この防災に関する訓練のきっかけは、私たちがネパールを訪れた際、災害の被害を受けた農家の方々から直接お話を聞いたことです。当初はネパールにおける災害との向き合い方について「農業訓練で防災に繋がるアプローチができないか」と思いつつも、専門的な知識や指導の技術がない私たちに実践は難しいだろうと思っていました。そんな中、山下さんが講師として関わってくださることとなり、私たちだけでは難しかった想いを形にしていただきました。今回のような貴重な機会を持つことができたのは、まさに山下さんのご協力あってのことです。

 当日は、絵や動きを入れた教材をご準備くださり、農家さんたちの議論も盛り上がり、学びの多い時間となりました。訓練後も活動報告の作成するにあたり災害図上訓練や成果品の活用についてご教示くださり、防災について大変勉強になりました。改めて、訓練の講師としてご協力くださり本当にありがとうございました。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

明日は植物性殺虫剤づくりについての活動報告を掲載予定です。ぜひご覧ください。

リターン

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