2022年度 研究支援を受ける女性医師・研究者のご紹介 vol.8

2022年度 研究支援を受ける女性医師・研究者のご紹介

vol.8 藤原 亜紀　日本獣医生命科学大学　獣医放射線学

支援を受けるきっかけとなったライフイベントは？

2020年3月に子供を出産し、同年12月に復職しました。復帰4ヶ月後には昨年度(2021年)の研究支援員を配置して頂き、今年度も採択されました。本学では臨床業務を兼任する学部教員が産育休を取得し復帰するという前例が無かったため、復職後にどのような生活になるか全く予想できませんでしたが、ちょうど支援制度が始まった時期だったので幸運にも応募できました。

どんな研究をしていますか？

医療センターでは犬・猫の呼吸器疾患を専門に診療し、そちらの臨床研究を主に行っています。呼吸器疾患を研究している施設は国内では非常に少なく、ほとんど論文がありません。そのためこれまでの診療データを用いた疫学調査などの臨床研究から非侵襲的な診断法の確立を目指しています。また、臨床研究から得たデータを用いて病態解明を目指した基礎研究に応用して行きます。最近では特定の品種の犬に多く発生する鼻炎において鼻腔細菌叢の関わりについての基礎研究を行なっており、「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ」の一環として研究費の支援も頂いております。全ての臨床・基礎研究は「犬・猫の治療に還元すること」を目的としています。

研究支援員にはどのような仕事を担当いただいていますか？

臨床研究としてデータの処理、解析をして頂いています。私の研究は専門的な臨床の知識が必要となるため、もともと研究生として私の科に勉強に通っている先生にお願いでき、安心してお任せしています。

これからの研究生活に向けた抱負や期待を教えてください。

日々の臨床・教育業務と家庭に追われて数年は全く論文投稿できないと思っておりましたが、昨年度からのご支援のお陰で論文投稿が見えて来ました。女性研究者の卵である本学の博士課程の女子学生が、現在の支援制度をみて将来研究と臨床の両立を諦めないような環境となることを願っています。