明日から、プロジェクト開始です

以前補修プロジェクトにご支援いただきました皆様、いよいよ10周年を目前としたクハ489-501の、完全補修に向けて最後の仕上げとなります、屋根部分の補修に向け、新プロジェクトを開始致します。

 

客室に入る雨漏れは、これまでの2度のプロジェクトでも徐々に少なくしてきました。

特に、他の鉄道車両保存では前例のない、雨樋の全交換や窓ガラス全外しによる漏水原因の完全防錆処理は、恒久的な屋外展示と車内の展示環境の改善に大きく貢献いたしました。本当に感謝申し上げます。

 

今回の屋根補修は、それらの前回プロジェクトとは異なり、完全に屋根の上という作業条件が、安全上極めて難しいプロジェクトなのですが、やり切るということは、車両管理の、後継者への伝承と、デビュー当時の姿をより再現し易くする両輪の事業です。

 

今回もプロジェクトには、自動車鈑金の技術を多く用います。

鉄道のような、２，３年に一度の再塗装とは異なり、５年、１０年をスパンにした、長期的なビジョンで、より保全を簡便化する目的ですから、補修というより一度新品にしてしまうというレベルの、前向きな施工をするのです。

 

車体側面のような、のんびりとした作業は出来ません。

その点では費用は高額です。

更には近年の物価高で、資材も人件費も高騰しています。

鉄道車両の保全は今後、鉄道修理のプロによるものから、様々な方がボランティア、修行の場としてノウハウを享受する形態へと進化すると共に、出来るだけ安価に収める必要があります。

その足許に位置付けて、このプロジェクトの目標額を達成させていただきたく、情報の幅広い拡散と、更なるご支援にご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

 

NPO法人きたぐに鉄道管理局　代表理事　

ボンネット型特急電車保存会　事務局長　

岩谷淳平