ONE LOVE。

今回の本公演テーマは「ONE LOVE」

大きな表題をつけました。

 

 

 

 

 

なぜこの言葉をテーマにしたのか.....。

 

トモプロを続けていくことに

色々と工面しながら、考えていた頃

何が一番大事か、を考えました。

 

どうしてトモプロが始まって、

どうして続いて来れたのか。

 

10年前の東日本大震災を機に誕生した

プロジェクトやコミュニティーは

東北地方にはたくさんあります。

 

それどころか、その後の熊本や、広島、北海道と、

さまざまな場所で災害は起き、

今や、日本全土、いえ、世界全体をおおうコロナという

新しい難題に直面しつつも

人間は日々を前に進もうとしています。

 

そんな中、私は昨年

「Pray from Fukushima」という曲を作りました。

ご縁あって、福島出身のミュージシャンやアーティストの方と

この１曲を形にすることができ、

YouTubeでも配信することができました。

 

10年前の震災から、福島が学んだこと。

外から来た私が感じる、福島のたおやかさや、

逞しさや、美しさを曲にして、遠くに伝えたかった。

 

人間はどんな状況になっても、前を向いて進もうとするし、

そこに知恵と勇気があれば、どうにか扉は開いていくんだと、

福島が教えてくれたことを、表現したかったのです。

ありがたいことに、一緒に作品にしてくださったアーティストの方々が

いてくださいました。

 

その頃から、「ONE LOVE」という言葉が

私の頭の中に止まっていました。

 

1人では何もできなくても

同じ思いを持った人たちが集まって

一つの形を目指す。

それは何か大きな後ろ盾のあるものではなくても

小さな声を集めて、一つの声にする。

そこには、それぞれの小さな「愛」があり、

それが重なり合って、一つになる。

 

トモプロが重ねてきたものは、この10年

小さな、小さな愛の塊でした。

 

 

杉並から南相馬を思う心。

南相馬から杉並を思う心。

離れた場所にいても、感じる、信じる心。

その小さな心の重なり合いが、10年で大きな輪を作ってきました。

 

 

そして、実は「愛」とはとても

面倒くさいもの、だと私は思っています。

 

小さな愛の重なり合い。

それは、手間のかかることの積み重ね。

 

簡単に出来上がるものをたくさん、ではなく

手間のかかることを、少しづつ。

震災前の自分にはできなかったことかもしれません。

 

 

南相馬が、福島が、私に教えてくれたこと。

それが「ONE LOVE」でした。

 

この10年。

「みんなのうた」という１曲から始まった

トモプロストーリーは、南相馬と杉並を

たくさんの人たちが、何度も何度も行き来をして

何度も何度もステージを重ねて、

何度も何度も練習を重ねて積み上げてきたものを

この10年の全てを

ステージにあげます。