ぼくたちの生活を救う「うんちは世界をかえる」を本に!
ぼくたちの生活を救う「うんちは世界をかえる」を本に!

支援総額

2,220,000

目標金額 2,000,000円

支援者
248人
募集終了日
2019年11月18日

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2019年11月02日 12:32

税金はバイキンマン?

 

 アンパンマンのアニメを娘が夢中で観ている。ぼく、村上大樹もたまに一緒に観る。アンパンマンは不思議なお話だと思う。とくに奇妙だなと感じるのはバイキンマン。バイキンマンは悪者ということに一応なっている。バイキンマンのする悪さって、本当に可愛らしい。主にしているのは、アンパンマンの邪魔をすること。アンパンマンに意地悪をすること。バイキンマンの悪って、何かをたくさん所有したいとか。誰かから搾取したいとか、世界征服したいとかの類のものではない。

 


 
 アンパンマンの作者のやなせたかしさんは、著書のなかでこんな感じのことを綴っていた。アンパンマンは困っている人を助けるお話。困っている人がいたら自分の頭の一部をちぎって渡す。分け与えるって精神だ。絵本のアンパンマンに当初、悪いやつはいなかった。そこでバイキンマンを登場させた。やなせさんはバイキンマンは菌のメタファーだという。つまりどこにでもいる。菌はときに人間から悪者にされて除菌されて殺されたりする。それでもまたどこからともなく発生する。菌を悪と感じるか? 善と感じるか? たぶんそのどちらでもない。アンパンマンはバイキンマンを殺したりはしない。なんだったら、崖に落ちそうなバイキンマンを助けたりもする。バイキンマンが一度だけアンパンマンを倒した話がある。結局それはバイキンマンが観た夢だったんだけど……。

 

「アンパンマンを倒しちゃったら、おれさまの楽しみがなくなっちゃうじゃないか!」
 
 と夢から覚めたバイキンマンは、夢だったことをうれしそうにしている。アンパンマンとバイキンマンは永遠に共存する仲間なのだ。あれは敵味方ではなく、仲良くじゃれ合っているのだ。仲間のなかで善悪はカオスとなって、そのときどきの役割を果たす。
 
 うんちもよく悪者にされる。でも仲良くしたほうが絶対に楽しい。バイキンマンのように毎日やってきては悪臭を放つというイタズラをしてくる。でも土に混ぜると臭くない。土はアンパンマンか? 大地はいろんなものをぼくたちに分け与えてくれる。
 
 この「うんちは世界をかえる」の出版プロジェクトのなかにうんち以外にも活躍している事物がある。それはブツブツ交換だ。そのなかにもバイキンマンがいる? 
 
 税務署から住民税の請求書がきた。年間10万円。払わないと差し押さえるし、社会的信用を失うと書かれた紙が同封されていた。ぼくが払う住民税は所得の10%。去年の作家活動での利益300万円ほどに経費や免税されるものを差し引いたら100万円ほどになった。純粋に使えるお金はこれだけ。この住民税、払えるだろうか。ちょっと高い気がする。ぼくは払えないや。払えなくて困っている。保険料、年金、所得税、次々に税が押し寄せてくるので、お金は泡のように消える。そのうえ、消費税は10%にあがった。困ったので、住民課に電話してみた。

 

ぼく「あのー。住民税が払えません。純粋なぼくの年収100万円なんですよ。もしあなたが年収100万円だったとしたら年間10万円、払えますかね?」

 

担当さん「うーん、そうですね……。それは払えないですね」
 
 やっぱり担当の方も払えないっていう。ちょっと正直なので驚いだ。このひとはぼくの敵でなさそうだ。

 

担当さん「でも300万円で申告されてますよね?」

 

ぼく「いやいや、ぼくは作家をしていて自分で本を出版しているんです。だから経費などからを差しひいたお金が100万円。申告どうり。使える手元にあるお金は100万円だけなんです。住民税10万円。払えますかね?」

 

担当さん「そうですか。失礼しました。それは年収100万円ですね。困りましたね。でもシステムはそうなってますから、お支払いいただくしかありません。申し訳ありません」

 

ぼく「そうか、ではシステムを変えてください。迷惑です。ぼくという個人が困っているんです。変えてください払えるシステムに」

 

担当さん「ええー。それはできません!」

 

ぼく「できないなら払いません」

 

担当さん「ええー。すいません。システムは変わりませんが、来年からもっと節税された方がいいかもしれません」
 

 なるほど。ぼくは真面目に申告をしすぎたのかも知れない。税務署の方からは何個かアイデアをくれた。節税って悪いことしている気がしていた。でも真面目に申告しちゃっても結局払えなくて、税金の奴隷になってしまった。
 もっと法のなかで遊ぶことにした。誤魔化すのではない。遊びながら真面目で真剣な節税だ。早速、法律や税金に詳しい人に相談した。例えばお菓子を500円くらいなら、それは「作業のリフレッシュ代」として申告できるそうだ。もしかすると作家や芸術家は税金から逃れられ安い職業かも知れない。本を買ったら資料になるし。旅行をしたら本を書くための取材になる。作家が生きるために使うお金はすべて経費だ。収入から経費を差し引いた額が35万円以下になったら、ほとんどの税金は免税される。それでも消費税は払ってるんだけどね。
 
 それぞれのレシートはもはやレシートではなくて作家としての生きたことの証だ。友だちに靴をつくってもらったら講演会なのどの衣装代になる。しかもそのお金は友だちにダイレクトに届く。こんなお金の使い方をすれば、罰金のような税から少しは逃れることができる。

 


※尾道のイチリズカシューズのナンシーの手づくり革靴!めちゃお気に入りです!
 
 税やお金は弱者からすべてを吸いあげるので、やっぱりバイキンマンじゃない。アンパンマンでもない。そうかここはアンパンマンの世界ではない。ここは資本主義社会って呼ばれていてみんなが競争している。競争に勝ったものは、負けてつづけている人たちから、お金や魂をも吸いあげようとしている。

 

 本をそもそも販売することをやめよう。この社会のルールのギリギリの線の上で踊ってみよう、この「うんちは世界をかえる」って本はブツブツ交換で手流通させるつもりだ。これは、税から逃れるための魔法だと思っている。手から手へ。物と物や、行動と行動のやりとりにアンパンマンの世界はある。ブツブツ交換に税金はかからない。
 
 娘のゆもちゃんは電動チャリの後ろに、ぼくの弟のたかちゃんが乗せている。ぼくはその隣で自転車をこいでいる。2台の自転車は横一列に並んで走っている。すれ違う人たち、誰もが振り返って笑っている。それほど大きな声で、ゆもちゃんはアンパンマンの歌を響かせている。

 

〝あんぱんまんはっ、きみっさぁ〜。あんぱんまんはっ、きみっさぁ〜〟

 


 
 夕日が沈む前。薄暗い路地に、アンパンマンの歌が木霊する。その昔、栄えていた商店街にも歌が響く。街は子どもたちの歌声を覚えているかのように、ゆもちゃんの声を壮大に反響させる。商店街を抜けて海沿いの道を走る。夕日はオレンジから紫色に変化している。紫の中にシルエットとなって黒い無人島のカタチがコントラストをかく。無人島のその先の島からは鉄塔やクレーンが立ち並び、夜に染まりつつある海にピカピカと照らしている。

 

〝あんぱんまんはっ、きみっさぁ〜。あんぱんまんはっ、きみっさぁ〜〟
 
 歌は法や税の届かないところで、空気を振動させる。

 

 これから、ブツブツ交換によってどんなエネルギーの循環がおこるのか、楽しみだ。脳裏に浮かぶ、やすくんの顔がアンパンマンに見えてきた。ぼくはバイキンマンかな? ふっふっふ。

 

 

 ぼくたちの目の前に広がる風景は、すべてを肯定してくれているようだ。空にはコウモリが不思議な角度でまがって、ぼくたちの自転車のまわりをぐるぐるしている。

 

ぼくたちは、秋の深まるひんやりとした気持ちいい空気のなかに包まれている。

 

 

リターン

10,000


《全力応援!!!》

《全力応援!!!》

※リターン不要の方の応援プランです。
リターン費用がかからないので、いただいたご支援はうんち活動におおく使うことができます。

・書籍「うんちは世界を変える」1冊

申込数
41
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年4月

5,000


《書籍「うんちは世界をかえる」》

《書籍「うんちは世界をかえる」》

本2冊をプレゼント!
1冊は自分用に、もう1冊はこの人だ!と思った人とブツブツ交換体験をしてみてください。

・書籍「うんちは世界をかえる」2冊

申込数
162
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年4月

10,000


《全力応援!!!》

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2020年4月
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