人生の節目に、大切な人へ漆器を贈る文化を広めたい!

支援総額

3,507,000

目標金額 3,000,000円

支援者
175人
募集終了日
2019年5月31日

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2019年05月06日 00:32

漆器の向かう未来(GW連載チャレンジvol.9)

皆さん、こんにちは!漆とロックの貝沼です。

 

GWの10連休を使って続けてきたこの連載も、残りは今日と明日の2日間となりました。

 

今日は「漆器の向かう未来」をテーマに書いてみたいと思います。

 

僕が好きな漆器工房の一つに会津の三浦木工所さんがあります。

 

三浦さんは轆轤挽き(ろくろびき)を行う木地師さんですが、工房の奥には、会津産の広葉樹を大まかに器のかたちに削った「荒型」と呼ばれる木地材料が積まれています。

 

その数、数百、いえ数千にも及びます。(あまりに数が多過ぎて三浦さん本人も分からないそうです。)

 

 

漆器の木地はこうやって荒型の状態で数ヶ月〜数年と寝かせてあげることで狂いのないいい材料となります。

 

以前、地元の高校生たちが工房見学に来た時には、なんと昭和11年に作られた荒型も見つかりました。

 

ある時に、三浦さんに「それにしても、なんでこんなに量があるんですか?」と聞いたことがあります。

 

三浦さんの答えはこうでした。

 

「ねえ、なんでかね〜(笑)。俺も分かんないけど、4代続いているからいつの間にか増えてったんだなぁ。・・・でも、一番増えたのは親父の時だな。フミタカ(三浦さんの息子さん)が生まれた時期に、親父がいっぱい木地買ったんだよな。あれは今考えれば親父なりのお祝いみたいなもんで、孫が将来仕事する時に困らないように荒型を沢山作っといたのかもしんないねぇ。」

 

三浦さんが少し遠い目をしながらその話をしてくれた時のことを忘れられません。

 

三浦さんの工房に行くと、いつも木の精がいるように感じるのですが、もしかしたら木の精は先代のおじいさんなのかもしれません。(ちなみに、震災の時も不思議とこれらの荒型はほとんど倒れなかったそうです。)

 

当主の三浦圭一さん(左)と息子の史崇さん(5代目)

 

息子の史崇さんは、一度は一般企業に就職したものの、7年ほど前から跡を継ぐために戻ってきて、今はお父さんの元で木地師の修行中です。

 

漆器は、使う方もお直しをしながら世代を超えるものですが、作る方も世代を超えた営みです。

 

だから、テマヒマうつわ旅を始めた時に作ったオリジナルの漆器の入門ガイドブック(うるしる手帖)の表紙に僕はこう書きました。

 

「百年かけて作ること 百年かけて使うこと」


果たして今、そのようなものがどれだけ日本に残っているでしょうか?

 

「早く・安く・便利に」を追求してきた大量生産・大量消費の社会の中で、私たちが置き去りにして、なくそうとしているもの。

 

漆器に限らず、そのようなものはかなり瀬戸際に来ています。

 

あまり必要以上に危機感を喧伝することはしたくないのですが、現実的に会津でも、専門の工程を担ってきた貴重な作り手さんが一人また一人と亡くなり、様々な素材や道具もだんだんと入手が難しくなってきています。

 

それでも、瀬戸際に来ると人間は強いもの。

 

最近、危機感の一方で「希望」も感じています。

 

僕がこの仕事を始めた十数年前には「漆・漆器」なんて言っても一般的には見向きもされなかった感じがありましたが、最近は、少しずつ興味を持つ方が(若い世代も含めて)増えてきていて、社会全体として少しずつ漆への関心が向いてきたような兆候を感じます。

 

そのような中で、国産漆を増やそうという動きも、ここ数年全国で急激に活発になってきましたし、素材の現状を伝える活動が増えてきたり、道具も新たな後継者が出てきたりなど、どうにかしようという動きが増えてきました。

 

そして何より、実は今、若い世代の漆器の作り手が増えています。会津でもそうですが、史崇さんのように跡を継ぐ方、外からやってきて漆器の作り手を志す方が少しずつ増えています。しかも、そのような作り手の卵たちは、この時代に漆器をやる意味として、きちんと手仕事で自然素材であることを大切に、そしてお客さんに丁寧に届けたいという方が多いのです。

 

あとは最後の出口。

 

「使い手」をどう増やしていけるか。

 

未来はここに掛かっていると思います。

 

高度経済成長からバルブ期まで、大きく膨れ上がっていった漆器産業。

 

そこから折り返し、今は全体の規模が縮小していますが、それは悪いことばかりではないと感じています。

 

これから贅肉が削ぎ落とされ、筋肉質の本物だけが残っていくでしょう。

 

そして儲かる時代よりもむしろ逆境や厳しい時代(底を打った後の時代)にこそ、文化・芸術においては新しいものが生まれるのは歴史が証明している通りです。

 

そんなこれからの時代に生まれる、優しくも気骨のあるもの、作り手の美意識が詰まった個性あるもの、自然と繋がる入り口としてのもの、そしてもう一度長い時間の尺度で生まれるもの。

 

そのような漆器(器に限らず)をみんなで応援し、広めていきたい。

 

それが、このプロジェクトが目指す未来です。

 

さて、明日はいよいよ最終回です。

 

最後は、「伝統は本当に残すべきか?」をテーマに締めたいと思います。

 

リターン

3,000


alt

心を込めたお礼のメール

「返礼品は必要ない」「手軽に応援したい」という方向けのコースです!品物がない代わりに、心をこめてお礼のメールをお送りします!システム上、配信時期はプロジェクト成立後(6月中)になりますことをご了承ください。

申込数
27
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2019年6月

5,000


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活動にジョイン!漆結い人(うるしゆいびと)基本の4点セット

【リターン品】
今回の基本セットとなる
●お礼のメール
●漆結い人会員証(ステッカー)
●オリジナルポストカード
●会津産のウルシの種
の4点が付いたコースです。(この4点はこれ以降のコースにも全てセットになります。)

【詳細】
●お礼のメールの配信は、システム上、プロジェクト成立後(6月中)になりますことをご了承ください。
●「漆結い人(うるしゆいびと)会員証ステッカー」やポストカードは、デザイナーさんと一緒に作った上で、郵送にてお届けします!
●漆結い人会員向けには、オンラインサロン(交流会&作戦会議)も開催予定ですので、詳細はまた成立後にメールにてお知らせします。(参加は任意です。)
●ウルシの種はご家庭で植えてみてください。脱蝋の仕方や育て方などの詳細は、お届け時にお知らせします。

申込数
17
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2019年8月

3,000


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心を込めたお礼のメール

「返礼品は必要ない」「手軽に応援したい」という方向けのコースです!品物がない代わりに、心をこめてお礼のメールをお送りします!システム上、配信時期はプロジェクト成立後(6月中)になりますことをご了承ください。

申込数
27
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2019年6月

5,000


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活動にジョイン!漆結い人(うるしゆいびと)基本の4点セット

【リターン品】
今回の基本セットとなる
●お礼のメール
●漆結い人会員証(ステッカー)
●オリジナルポストカード
●会津産のウルシの種
の4点が付いたコースです。(この4点はこれ以降のコースにも全てセットになります。)

【詳細】
●お礼のメールの配信は、システム上、プロジェクト成立後(6月中)になりますことをご了承ください。
●「漆結い人(うるしゆいびと)会員証ステッカー」やポストカードは、デザイナーさんと一緒に作った上で、郵送にてお届けします!
●漆結い人会員向けには、オンラインサロン(交流会&作戦会議)も開催予定ですので、詳細はまた成立後にメールにてお知らせします。(参加は任意です。)
●ウルシの種はご家庭で植えてみてください。脱蝋の仕方や育て方などの詳細は、お届け時にお知らせします。

申込数
17
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2019年8月
1 ~ 1/ 18

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