沖縄フィールドワーク実施のご報告③

落合陽一×日本フィルプロジェクトを応援いただいている皆様、

 

プロジェクトの応援ありがとうございます。クラウドファンディングは残り70日間。現在ご支援率は10％になりました。早速の応援に本当に感謝しております。

 

6月5日、6日に行いました、落合陽一とプロジェクトメンバーによる沖縄フィールドワークご報告最終回です。ハードな史跡巡りのほか、資料の見学も行いました。

・那覇市歴史博物館
琉球王朝文化と都市の歴史を展示している博物館。美術工芸品等のほか、国宝の尚家資料の展示が圧巻です。
以前茂木さんから伺っていたお話を思い出します。「沖縄には資料が残っていません。日本国になったとき琉球王国の宝は日本の国宝となって東京へ移され、震災と空襲でなくなりました。沖縄に残った資料も戦争で亡くなりました」。尚家から寄贈された貴重な資料の説明を受ける一行。

 

資料館には古い那覇の街並みがジオラマで再現されていましたが、学芸員の山田さんによると「この街並みは戦後、ブルドーザーで均されてしまって跡形もなく消えました。」とのことでした。

ひょっとしたら、今を生きる沖縄の方々にとっても、琉球王朝の音楽や芸能は私たちと同様、”新たな出会い”になるかもしれないなあと感じるお話でした。

 

 

・琉球大学付属図書館(沖縄資料室)

こちらには、多くの沖縄関係資料が保存されています。落合とプロジェクトメンバーが閲覧した貴重資料の一つが、沖縄学の先駆者、伊波普猷（1876～1947）の旧蔵資料の一つ、『屋嘉比工工四』(昭和33年沖縄県有形文化財指定)です。

屋嘉比朝寄（1716～1775）は、三線の記譜法（工工四）を考案し、それまで口承で伝えられてきた琉球音楽を集成しました。その原本に、今回演奏する「揚作田節」が収録されています。

 

 

ちなみに現在の工工四には、落合曰く「ジャポニカ学習帳みたいな」枠がついているのですが、屋嘉比工工四にはまだ枠がありませんでした。

資料室ではこんな絵巻物も。

 

そして鎌倉芳太郎の収集資料に感銘。

 

図書館では鎌倉芳太郎の研究者でもある久貝さんにご案内いただきました。ありがとうございました！

 

・沖縄県立博物館

訪問地のラストでは縄文から現代までの沖縄・琉球の歴史を俯瞰してフィールドワークの総ざらい。石灰岩の岩山を登り、斜面の崖の窪みに祈りの場を見立てた御嶽を見、墓を見て、沖縄の祈りの心にたくさん触れました。

 

古いものだけでなく、今に繋がること、繋げること、未来へ拓くことにも触れた1.5日の旅。

琉球の民藝、食、もちろん泡盛も、その土地でことの触れ方ができました。そしてもちろん、8月に演奏いただく琉球古典音楽チームの代表の方との交流なども。また、今回ご協力いただくD&DEPARTMENTさんには、「つづく」ものを皆様と「つなぐ」お手伝いをしていただこうと、この滞在中にお話ししました。

どうぞこの先の展開を楽しみながら応援いただけますと幸いです。