【応援寄稿 v.16】大学院生　青木 優美さん

このクラファンも残り27時間と少しとなりました！！
サイトに反映されていない未着金分を含めると、あと70万弱というところまで来ました！！
本当にあともう一息！！！

 

今日は、「サイエンスコミュニケーター見習い」として活躍されている（僕はもはや「見習い」じゃないと思っている）ゆーみるしー、こと青木 優美さんから応援寄稿をいただきました。
 

総合研究大学院大学高エネルギー加速器科学研究科素粒子原子核専攻、というめちゃんこ名前が長いところで、博士課程2年として研究をされています。

 

そんな彼女が、地球観測だけではなく、宇宙観測や素粒子実験の分野にも、ワープスペースの宇宙光通信ネットワークの貢献可能性がある！！！ということで応援寄稿を書いていただきました。

 

めっちゃ分かりやすい。そしてテンションが上がる内容です。
ぜひご覧ください。

（ワープスペース　常間地）

 

 

好きなSF小説にこんなシーンがある。

 

「それから二十年のうちに、人類文明はめまぐるしく進化した。材料革命と自動設計、汎用ロボットによる自動製造技術の躍進によって軌道エレベーターと太陽発電衛星が続々と完成し、世界は成長と豊穣を取り戻したのだった。」

 

私は、素粒子実験分野で研究をしている。素粒子とはそれ以上分けることができない粒で、この素粒子を調べることで宇宙初期のことを解き明かそうとしている。「宇宙のことを調べる」と言っても、宇宙観測ではない。「加速器」と呼ばれる大型実験施設で、素粒子同士を衝突させる。

 

この、現在地下に埋まっている加速器を宇宙空間に作り上げたというのが冒頭のシーンだ。これが実現するとしたら何十年先かはわからないが、もし実験の拠点が宇宙に移るとしたら、私の実験も宇宙との通信と無関係ではいられなくなる。加速器実験で得られるデータは膨大で、とても現在の通信速度ではまかなえないであろう。

 

さらにもっと現実的は話でいうと、電波観測の分野ではすでに宇宙に望遠鏡を打ち上げて観測を行う予定のプロジェクトがいくつもある。例えば、LiteBIRD（http://litebird.jp）、LISA（https://lisa.nasa.gov）などだ。

 

したがって、宇宙観測や素粒子実験の分野においても光通信の役割は重要なのではないかと思う。宇宙空間との光通信が実現すれば、宇宙の謎の解明の一助となる。

「宇宙初の通信インフラで実現した宇宙初の実験結果」なんて素敵ではないだろうか。

 

青木 優美　https://twitter.com/yumilc_
総合研究大学院大学高エネルギー加速器科学研究科素粒子原子核専攻4年（D2）。専門は素粒子実験のための測定器の開発と物理シミュレーション。「科学の楽しさを楽しく伝えたい！」「科学をみんなで考える」の2軸から活動を展開。最近のマイブームは物理アクセサリー作り。