ワークショップで見つけたVision

2008年11月、当時勤務していたKKR札幌医療センター斗南病院の上司の勧めにより、チームオンコロジーワークショップに参加しました。そして、全国からモチベーションの高い医師、薬剤師、看護師が集まり、最善の医療プログラムとは何かをディスカッションしました。このワークショップを通して、勤務先以外にも多くの信頼できる医療者の友人ができ、その後の長い交流につながっています。

医療者としてのマナーを保ち、チーム医療の発展を目指すのはもちろんですが、当時一緒にワークショップに参加した三浦裕司医師と、「我々は日本の中で臨床試験を一つでも多く実行し、サイエンスに裏付けされたエビデンスの創出に前向きに取り組んでいこうと」、若者らしく夢を語り合っていたのを今でも覚えています。

あれから10年以上経過しました。お互いにMDアンダーソンがんセンターに留学し、いかにサイエンスを臨床に持ち込むかについて学んできたのです。専門は異なるが、現在私はがん研究会有明病院がん早期臨床開発部、三浦医師は虎の門病院臨床腫瘍科で部長として勤務しています。

これからは、若者たちに研究の楽しさを味わってもらい、次世代のオンコロジー領域のリーダともいえる、医師、薬剤師、看護師の育成に努めたいと思っています。

現在は、多くの施設でチーム医療が行われており、実際に機能している施設も多数あると思います。J-TOPワークショップ参加によって、自分自身のキャリアに真剣に向かい合うこと、そして医療を向上させるためのビジョンとミッションを考える事が、このワークショップの醍醐味と言えるでしょう。

日々忙しい生活の中で、未来のことを真剣に考える機会も少なく過ごしている若手医療者にこそ参加してもらいたい、そう強く思っています。ワークショップで学ぶスキルを日々の臨床の中で活かすことによって、きっと皆さんの夢の実現が可能になるでしょう。

現在私はメンターという立場で、J-TOPワークショップを盛り上げています。参加者が満足し、自身のキャリアの発展とチーム医療の拡充を通して、がんの患者さんが安心して暮らしていける社会を作れるようなプログラムを支援していきます。