ちょっこっと連載①～刑務所から出てきたおっちゃんとひとのま①

これまで多くの刑務所からの出所者と出会ってきました。

 

今日からはその中で一番長く関わっている70くらいのおっちゃんの話を連載形式で書いていこうと思います。

 

どういう経緯で出会ったかは随分と前のことなので、もうボンヤリとしか覚えていないのですが、確か刑務所側から「刑務所の中でひきこもっている人がいる。ちょっと会ってみてほしい。」と言われてからの付き合いだったように思います。

 

そこはボンヤリなのですが、実際に刑務所で面会した時のことは結構覚えています。

 

「高岡でひとのまってとこをやってましてね。誰でも来ていいよって言ってるんですよ。で、○○さん刑務所出た後に行くところがないんだったら来ます？」的なことを伝えると、

 

「こんな私を受け入れてくださるんですか！」

 

と目に涙をいっぱい浮かべていました。

 

初めて会った人間で、しかも自分より明らかに年下で、ちょっとコンビニに行くような感じの服装の、一度で信用するにはなかなか難しそうな要素満載なのにも関わらず、「受け入れてくださってありがとうございます！」なんて泣きながらいうのです。

 

ああ。それほど寂しかったんだろうなあと思いました。

 

話を聞くと、出所しても帰る家も待ってる人もいないとのこと。

 

そんなんだったら出所しても意味がない。だから作業もやらない。

 

なるほどなあと思うのと同時に何て切ないんだろうと思いました。

 

「じゃあこれから連絡取りあって、出所日とか決まったら教えてくださいね。迎えに行くんで。」と伝えるとこれまた感激！と言ったように嬉しそうにしていました。

 

その日から、しばらく中断していた作業もしっかりとこなすようになったそうです。

 

～次回：出所編に続く