ちょっこっと連載～刑務所から出てきたおっちゃんとひとのま②

出所の日。

 

雪がちらつく日でした。

 

駐車場で待っていると紙袋を持ったおっちゃんが出てきます。

 

「これからお世話になります！」

 

と言い、車に乗り込んでひとのまへと向かいます。

 

「久しぶりに何かしたいことないすか？」

 

と聞くと、

 

「コーヒーが飲みたいです。」

 

とのこと。

 

コンビニに寄ってあったかい缶コーヒーを買います。

 

おっちゃんは「私がお金出します！」と言ってましたが、「出所祝いですよ。」ということでコーヒーを買って渡します。

 

コンビニ前で2人でコーヒーを飲みながら「何か嬉しいですねえ。」とおっちゃんはにこにこしてました。

 

コーヒーを飲み終わっての帰り道。

 

おっちゃんはずっと窓の外を見てぶつぶつ独り言を言っています。

 

「この道は〇〇号線か。この道をまっすぐ行くと○○線にぶつかる。こっちに行くと○○線。」

 

どうやら道路のことをつぶやいているみたいです。

 

いわゆるこだわりに近いのかな。

 

「道路詳しいんすね？」と聞くと、

 

「好きなんです。」

 

とのことでした。

 

そんなこんなでひとのまに到着。

 

そこからおっちゃんのひとのまでの生活が始まります。

 

～続く