歴史的瞬間！！！

皆さま、すでに報道されている通りですが、13日に東京高裁によって出された「再審開始決定」に対して、一昨日3/20、東京高検が「抗告断念」という結論に至りました。

 

その結果、ついに袴田巖さんの「再審開始」が確定致しました！

「まさか検察が抗告を断念するとは…」

そんな声もあがるほど、まさに予想を上回る喜ばしい結果となりました。

 

 ▲「抗告断念」の一報直後、記者会見する弁護団

 

「抗告断念」が検察から弁護団に直接伝えられた瞬間、私は東京の司法記者クラブにいました。その場で携帯に連絡を受けたのは、袴田事件弁護団事務局長の小川弁護士でした。

「…ありがとうございます。」

検察官に対して、思わず口をついて出たのは感謝の言葉でした。

 

「再審開始」の決定から１週間ー。

連日、検察庁前では支援団体が抗議の声を上げ、弁護団のメンバーも多忙な合間をぬって検察に繰り返し「抗告しないよう」申し入れを続けていました。

 

 ▲検察庁前での抗議活動

 

また弁護団の一人が始めたオンライン署名では、わずか数日で3万8千余の方からの署名が寄せられました。

そうした全ての想いが、「抗告断念」「再審開始確定」という結果に繋がったようにも感じます。

 

そして一夜明け、袴田さんに直接お祝いを伝えたくて、浜松のご自宅を訪ねました。

 

 ▲「再審開始決定」確定翌日の袴田さん（浜松市の自宅にて）

 

秀子さんのお顔を拝見しながら色々と話をしているうちに、じんわりと嬉しさが湧いてきました。その時にようやく、「再審開始決定」を現実のこととして噛み締めることが出来ました。

 

秀子さんは、「まだ無罪になったわけじゃないから、これからだよ。」と落ち着き払った様子で話されていました。

本当にその通りですね。

 

袴田さんのお宅を後にして、近所の公園を通りかかった時、真っ白な桜の花が満開に咲き誇っていました。

静岡県内の桜は、まだ満開には早いはずなのに…。

 

 

まるで、袴田さんをお祝いしてくれているようにも思えました。

 

今回の決定を待って、そのすべてを撮りきって、映画に盛り込むつもりで現場に立ち会いました。それをどのように描くのかは、これからの編集作業にかかっています。その意味で、映画制作はこれからが本番です。

 

引き続き、皆様の応援をよろしくお願い致します。

 

ドキュメンタリー映画「拳と祈り」監督

笠井千晶