子どもの貧困について

わたしが国内の子どもの貧困が深刻であることを知ったのは、ほんの5年前くらいのことです。とあるオーガニックの飲食店でポスターを見つけ、国内の子どもの８人に一人が満足に食べれない貧困の状況にある、と書かれていました。海外の子どもたちが貧困で苦しんでいることはテレビなどの報道で知りましたが、まさか豊かなこの国にもこんなにも多くひもじい思いをしている子どもたちがいるとは想像できませんでした。

 

それを知ってからわたしができたことなんてほんのわずかです。子ども食堂、いわゆる子どもは無料で食事をえられるというイベントを手伝ったり、実際に自分もイベントを企画してやってみたりしました。

 

イベントは毎回大盛況、子どもたちも喜んでくれたようです。しかし、やってみて感じたのは「本当に貧しくて苦しんでいる子どもたちのためになっているのか」という点です。実際、本当にそんな思いをしている子たちはそういう場に来ることも大変なのです。これはもっと原因を調べ、相手の立場になって考えてみると簡単に見えてくることでもありました。

 

もちろん子ども食堂を批判したいわけではなく、全国で行われているそれ自体は素晴らしく社会に必要なことだと思います。ただ、本当に自分は目的が果たせているのかを常に観察し考えるようにしてきました。

 

先日どこかで聞いたのは、現在子どもの７人にひとりが貧困である、ということです。数年前にわたしが聞いたものよりもずっと増えてしまっているではありませんか。

 

共働き家庭だったり、ひとり親家庭で、家でのご飯は夜も一人でレンジでチンなどして済ましているといった状況の子どもたち。または、施設に暮らすために食中毒が出ないような大量に作れるようなメニューばかりの子どもたち。まだまだ学びきれていませんが、そういう状況なのだと最近知りました。もう少し踏み込んで、いや、もうすこし寄り添って、自分ができることを模索していきます。

 

今回のプロジェクトもそんな想いもあってのものです。

暖かい家族の空氣感の中で安心して美味しく楽しく食事をとること、人としてとても当たり前のそんなひとときを子どもたちに経験してもらいたいです。その時の温もりはずっと大人になっても残ることをわたしは知っているからです。