【いすみ鉄道を応援する人々】　「ポッポの丘　村石愛二さん」

【いすみ鉄道を応援する人々】 「ポッポの丘 村石愛二さん」

　昭和62年、国鉄の分割民営化に伴い「旧国鉄 木原線」が廃止される事となりました。「木原線」を何とか存続させたい！と地元の人々の強い願いを受けて第三セクターとして昭和63年に誕生したのが「いすみ鉄道」です。その開業時に7両の黄色い電車（気動車）が導入されて、房総地域の緑豊かな自然の中を走る黄色い電車は、長年地元の人たちに平成の新しい時代を感じさせながら、そして希望と夢を乗せて走り続けてきました。
　

　平成22年8月、その黄色い電車の「いすみ204号」が廃車されることになり、売りに出されました。「誰も買ってくれないと、解体か海外に輸出されることとなります。」と当時の鳥塚社長から聞き、全く鉄道の知識を持たない私は、地元の人たちに愛されてきた黄色い電車が解体されてしまうのは可哀想との思いから購入させて頂きますと鳥塚社長にお伝えしました。
　

　「いすみ204号」はその年の暮れに導入された「キハ52」と入れ替えに廃車され、国吉駅から、現在の「ポッポの丘」のある、いすみ市作田の小高い丘にやってきました。しかし保存は出来たもののどう利用しようか決まらないまま、翌年の平成23年3月11日の東日本大震災を迎えることとなりました。

    大きな地震と津波被害、そして東京電力福島第一原子力発電所の事故です。私の農場も地震やセシウム汚染の影響で大変でしたが、何より房総地域に観光のお客様が全く来なくなりました。そんな中、4月に入り、急ぎ準備して北陸鉄道、万葉線の引退車両を引き取って3両の保存車両でたまごの直売所として5月１日オープンしたのが「ポッポの丘」の始まりです。
　

　以来9年間、「ポッポの丘」は23両もの引退車両を擁する、「昭和の貴重な鉄道ミュージアム」に育って参りましたが、入場無料、駐車料金無料で運営維持してきたため、赤字経営が続き、更には昨年の台風15号、19号の被害もあり11月末で69年間続けてきた養鶏業の廃業、そして現在の新型コロナウイルス感染症の外出自粛などの様々な影響で「いすみ鉄道」以上に大ピンチです。

　「ポッポの丘」と御宿にあります「レトロぶーぶ館」、「消防自動車博物館」の存続の為に車両保存関係者の皆様との協議を重ね、関係者の皆様のご支援とご協力、そして学生ボランティアまたスタッフのご協力で、「ポッポの丘」は現在リニューアル工事を実施しています。3月20日からお客様に駐車料金をお願いして何とか施設の維持管理運営維持を目指しています。

　そのような状況の中、この度、「いすみ鉄道応援プロジェクト」にメッセージをとのご依頼を頂きました。自分の施設の維持管理運営継続に必死で、自分が「いすみ鉄道応援プロジェクト」に参加出来ない中で、本当に心苦しいのですが、房総地域の山間部の美しい自然の中を走る「いすみ鉄道」がいつまでも都会人の心のオアシスとして、そして地元の人たちの希望と夢を乗せて走り続けて行けますよう、多くの皆様の御理解、ご協力、ご支援をこのプロジェクトにお寄せ頂ければ幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。