ひたちなか海浜鉄道　吉田社長より

「名車キハ２２２国鉄色再塗装＋鐡道神社化作戦」にご協力いただきありがとうございます。

 

 

 

　キハ２２２は、１９６２年羽幌炭鉱鉄道で働き始めましたが、石炭産業衰退の影響によりわずか１０年足らずで職場が消滅、若くして遠く茨城の地に再就職することになり、以後、同じ境遇の仲間たちとともに湊線で長く活躍してきました。

　羽幌炭鉱鉄道時代から苦楽を共にしたキハ２２３の引退後は、キハ２２型車両の全国でただ１両の生き残りとしてがんばってきましたが、寄る年波には勝てず、２０１５年に現役を引退しました。

 

　それから５年、厳しい地域鉄道の財政状況において引退車両のメンテなどはできるはずもなく、朽ちていく痛々しい姿をお見せしておりましたが、このたびこれを再生しまちづくりに活用しようという提案をいただきました。

キハ２２２は、キハ２２型車両の最後の生き残りとしてだけでなく、「北海道の吹雪の中を走るため、“ワイパーではなく旋回窓装備”」「積雪時に足元が滑らないために“床板は木材”」「クーラーなんてどんでもない、“扇風機さえない”」「車内保温のため“車窓は二重窓（の形跡）”」など、寒冷地仕様鉄道車両のシーラカンスとして、その価値は計り知れないものがあります。

 

　これが、かつての姿を取り戻し、まちづくりに活かされていく。

　なんと、すばらしいことでしょう。

 

　ひたちなか海浜鉄道は、この計画を全面的に支持し、目標成就のあかつきには保存に精いっぱい努力していくことをお誓いします。

（が、先立つものはなし。）

　がんばってきたキハ２２２が、日本の地域鉄道史に足跡を残し、あらためてお役に立っていくためには、皆さまのご厚志におすがりするしかない状況です。

どうか、崇高壮大な計画の実現に向け、熱いご支援をよろしくお願いいたします。

 

 

(株)ひたちなか海浜鉄道

代表取締役　吉田千秋