富山市ファミリーパークのライチョウたちの状況について

　世の中は新型コロナウイルスの感染拡大で大変なことになっていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。状況は少し収束に向かいつつあるようですが、まだまだ気が抜けません。

　この影響で国内の動物園はほぼすべてが4月から臨時休園をしていましたが、少しずつ営業を再開し始めてきています。富山市ファミリーパークでも5月11日より感染拡大防止対策を講じ、開園しています。

展示室のライチョウ

　ファミリーパークで飼育しているライチョウたちはもうすっかり夏の羽に姿を変えて繁殖期に入っています。ファミリーパークでは今年も自然繁殖に取り組むことにしました。昨年は営巣、産卵、抱卵、孵化までうまくいきましたが、残念ながら育雛の段階で母鳥が雛を突くということが起こり、やむなく母鳥から雛を分けて人工育雛に切り替えました。今年は昨年のことを踏まえて、孵化後の母鳥と雛が落ち着いて育雛が行われる飼育環境を検討し、繁殖に取り組むことにしています。

　現状としては、選抜したオス1羽とメス2羽を4月上旬よりお見合いをはじめ、それぞれの相性を見てきましたが、5月5日より毎日時間を決めて交互に同居も始めています。今のところ、どちらの組み合わせも顕著な動きは見られませんが、今後、交尾や産卵などが見られましたら、ご報告していきたいと思います。今年は何とか自然繁殖を成功させたいとスタッフ一同頑張っています。ご期待ください。

　ところで例年ですと、この時期は立山・室堂へライチョウの観察に足繁く通っているところですが、今年は新型コロナウイルスの影響で、立山黒部アルペンルートも休業しており、ライチョウに会いに行くことができていません。今年は観光客がいないというこれまでにない環境の変化の中で、ライチョウたちにとってそれが良かったのか悪かったのか、そして、ライチョウたちは元気にしているだろうか、繁殖期に入ってうまくつがいができているかなど、とても気になります。6月にはアルペンルートも再開するということなので、今から心待ちにしています。こちらもできましたらご報告していきたいと思っています。

　こんな社会の状況ですので、皆様くれぐれもご自愛いただきたいと思っています。