コラム①：実は知られていない？！グリーンハウスと港座の関係

　今回から3回に渡り、実行者である阿部剛（港座アートヴィレッジ代表）によるコラムをお届けします。

　第１回目は、グリーンハウスと港座の、ちょっと不思議なエピソードを紹介しましょう。

　このふたつの映画館は、姉妹館でした。佐藤家の長男がグリーンハウスの支配人を、三男が港座の支配人をしていました。

　1976年にグリーンハウスは焼失。2002年に港座が閉館した時、劇場の電気を止め、使わなくなった電話を解約しました。

　そしてある人から、ある映画のロケの話を持ちかけられたのです。その映画の名は「おくりびと」。

　とても地味なタイトルで、パッとしない映画に思えました。だけど、その港座でのロケは素晴らしいものでした。一流のスタッフと一流の俳優陣。質の高い一幕ものの演劇を観ているようでした。でもたとえ、いい映画であっても興行的には振るわずに、いつのまにか消え去ってしまうものだろうと、勝手に決めつけていたかもしれません。

　でも少しずつですが、その映画は、評判に評判を呼んで、すごい騒ぎになり始めていました。
その年の日本の映画賞を総なめにし、米アカデミー賞の外国語映画賞まで取ってしまいました。

　マスコミは「映画によって映画館が復活、まるで映画みたいな本当の話！」と映画「おくりびと」が港座を復活させたと報じましたが、私にしてみればそれは逆でした。

　貸ホールとしての港座が再出発するために取得したその新しい電話番号は、なぜだかグリーンハウスの昔の電話番号そのものだったのです。

　映画「おくりびと」が港座を復活させたのではなく、グリーンハウスと港座が手を取りあって、映画「おくりびと」を呼び寄せたのではないか。支配人兄弟が協力して企んだことなのではないのか。　

　なぜなら、不思議なエピソードは、それでおしまいではなく、その後も続いていくからです。

　実は、その後の顛末を描いているのが、今回のストーリーブック「もうひとつの世界一の映画館」です。

　ほんとうに、ちょっと不思議な話なんです。今日の話をふまえれば余計に。

　このクラウドファンディングが成立すれば「もうひとつの世界一の物語」を読むことができます。でも成立しなければ読むことはできません。ご支援の額は50%を超えたところです。ご支援していただいている皆さん、ほんとうにありがとうございます！！もう一踏ん張りだと思っています！

　ご支援やシェアをよろしくお願いいたします！