京王井の頭線3000系3701号車(北陸鉄道浅野川線8811号) 首都圏電車区への輸送・搬入が完了！

この度、皆様のご支援により保存が実現することとなった、京王井の頭線3000系3701号車（北陸鉄道浅野川線8000系8811号）はこの度29年ぶりに首都圏に帰還し、首都圏電車区への搬入が完了しました。

車両の搬出・輸送に向け、北陸鉄道様・関係各社様のご協力のもと着々と準備が進められて参りました。暑い中、連日お力添え頂いた皆様にこの場を借りて御礼させて頂きます。

9月1日、3701号車（8811号）は、2台のクレーンにより大型トレーラーへ積み込まれました。

そして終電後、29年間住み慣れた第二の故郷である内灘検車区を出発し、深夜の道を、ふるさと・首都圏へ向け走り続けました。
今回の帰還輸送は、石川県、富山県、新潟県、長野県、群馬県、栃木県、茨城県と7つの県を跨ぐ、4日間に渡る長い旅となりました。
お忙しい中、難しい長距離輸送をお引き受け頂いた輸送会社様・関係者の皆様に心より感謝申し上げます。

3701号車（8811号）は、伏木へ曲がる交差点を直進し、名立の海を望み、碓氷峠を越え、ステンプラカーが今日も走る群馬の街も駆け抜けました。

9月4日未明、3701号車(8811号)は、500km以上の旅を終え、首都圏電車区に無事到着しました。

翌朝にはクレーンによる取り下ろし作業が行われ、実に29年ぶりとなる首都圏の土を踏むことができました。
狭い首都圏電車区の敷地内でご尽力頂きました関係各社様・関係者の皆様に心より感謝申し上げます。

また皆様におかれましては、輸送終了までの情報保持や、場所・マナーを守っての撮影・記録にご協力頂きありがとうございます。
SNSなどへの公表を控えていただいた皆さまにも、感謝申し上げます。

そして、3701号車(8811号)は、首都圏電車区の地で、およそ半世紀の時を越えた「奇跡の再会」を果たすことができました。

1982年まで、下北沢駅で立体交差していた小田急線2200形2212号と、43年ぶりに。

さらに1968年まで、渋谷駅で並んで出発を待っていた営団地下鉄2000形2040号と、57年ぶりに。
(2040号は1959年に銀座線用車両として製造、1968年に丸ノ内線(分岐線・方南町支線)に転属となりました。)

これらは決して偶然ではなく、関係者様のお力添え・ご縁と、皆様のあたたかいご支援による、奇跡の連続です。

これらの車両に今日があるのは、たくさんの方々の情熱・ご協力があってのことです。

もちろん車両保存の実現はゴールではなくスタートであり、道はまだ半ばです。

ですが、昭和の時代を支えた関東私鉄の電車たちの夢の並びが、令和の今日、続々とたしかに現実のものとなっています。

なお、大変恐縮なお知らせとなりますが、茨城県の首都圏電車区では、車両の安全管理上、通常時はシートで覆わせていただいております。通常は非公開の場所ですので、支援者様向けリターンの見学会など以外では、ご覧いただけませんのでご了承願います。

無許可でのご来訪についても、周辺企業・住民様への影響を鑑みまして、おやめいただきますようお願いします。

(保存会の活動にご興味がある方は、必ずご連絡・相談をお願いします。)

改めて、ご支援・ご協力いただいた皆様に心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。