Etherwaveの内部チューニング方法について

Etherwaveの内部チューニング

 

気温差が激しいこの季節、Etherwaveテルミンのチューニングが大きく狂ってしまって困っているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。通常のピッチつまみだけでのチューニングでは追いつかないという状態になると、内部の電子基板上にある調整ネジを回してチューニング（正確にはキャリブレーション）する必要が出てきます。

 

天板上に穴を開けた仕様にしている方や、私が作ったEtherwave用筐体をお使いの場合は、リアルタイムに音を聞きながら調整を行うことが可能です。移動先で演奏前に微調整なんていうことも気軽に行えます。

 

テルミンの新しい筐体をつくる中で、街角マチコさんとやりとりをしながら貯めた現在までのノウハウを公開します

 

2025年2月

須藤 生

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普段、私はこのように調整を行っていますので参考になさってください。＊言葉遣いや表現方法にご意見があれば是非教えてください。内容をアップデートしていきたいと思います。＊

 

・調整ドライバーはこれがお勧め。

 

ホーザン HOZAN　D-16-2B コアドライバー

https://www.yodobashi.com/product/100000001001885075/

 

1.95や2.0の六角ドライバー部が絶妙にフィットします（初期世代のEtherwaveはマイナスドライバーです）。

＊金属製の2.0六角ドライバーは通電状態でのショートリスクや調整ネジを傷める可能性があるのでお勧めしません＊

 

まずは調整穴にドライバーを立てます。今回は真ん中と右（以下、ここでは３つのネジを、左ネジ、中ネジ、右ネジというように表記します）。左ネジは扱いません（後述）。

 

ピッチつまみはセンターにしてください。

 

 

注意事項：

＊ネジを左や右に回し切った状態になった場合、無理やり回さないように注意＊

通常は軽い力で回ります。

 

＊わずかに調整ネジを回しただけでも大きく変化します！＊

調整する際は、時計の目盛り60分割のうち1分ずつ回すくらいの意識でやってみてください。

 

＊ここに記載している内容は私が行っている調整方法です。責任は負いかねますので自己責任のもとでお試しください＊

 

 

ここからが肝心のピッチ調整。

 

・通常

 

ピッチつまみのみでゼロポイント出し。テルミン使いの皆さんが普段行っている方法です。

 

・季節変化などでピッチつまみを回し切ってもチューニングが合わないとき

 

『中ネジはピッチつまみより調整範囲が広い』『右ネジは音域調整ネジ』というイメージを持ってください。

 

右ネジはいじらず→中ネジ少しで調整（ゼロに近づける）→ピッチつまみでゼロ出し

普段はこの流れで微調整できるはずです。

 

・本格的に調整が必要なとき

 

右ネジは変化幅が大きいので、私は右ネジを少し回す→中ネジで微調整（ゼロに近づける）→ピッチつまみでゼロ出しという作業を繰り返して、好みのオクターブ数に調整しています。

 

右ネジを右に回していくほど、高音域が出るようになってきます（広い範囲の音が出る）。チューナーを見ながら作業すると分かりやすいです。また、どこかの段階でノイズが発生していても、ノイズが入る音域も上がっていくという印象です。

 

追い込むと低音は、チューナー表示でC2の音くらいから

7～8オクターブくらいまで広げることができます。そこまで高音が必要ない場合は、出ないようにしておく方が弾きやすいかもしれません。一般的に５～６オクターブがいいでしょう。

　

ちょっとやってみると分かりますが、右ネジを回すとごく僅かでも大きく変化します。最初は恐々と調整することになると思いますが、何度も繰り返して要領が分かってくると調整しやすくなっていくはずです。

 

・完全にゼロから行いたい場合

 

右ネジ、中ネジともに左に回し切った状態から、右回しで調整していくのですが、音が全く出ない状態にもなるので要注意。

 

 

 

 

おまけ

・左ネジはボリュームアンテナの調整です

 

＊ピッチ調整時には必要ありません＊

 

左ネジの調整は変化が分かりづらく難しいと感じます。

個体差もありますし、設定したい状態には個人の好みもあるので、とにかく触ってみて変化を感じ取ってご自分の楽器と仲良くなってください。

 

ボリュームつまみは右に回し切り、必要に応じて左に回して微調整します。発音する高さとボリューム変化の大きくなる高さが変化していきます。