令和の大修理、次の舞台へ——未来に文化財をつなぐために

令和の大修理、次の舞台へ——未来に文化財をつなぐために

皆さま、いつも温かいご支援と応援を賜り、心より御礼申し上げます。
クラウドファンディングもいよいよ残り日数わずかとなりました。
開始から今日まで、多くの方々が思いを寄せてくださり、力強いご支援をお寄せいただいたことに、改めて深く感謝申し上げます。

■ 修理現場はいま、次の段階へ

現在、大安禅寺では本堂修理の仕上げと、次なる「庫裏・開基堂修理」へ向けた準備工事が進んでいます。

本堂では、完了検査を経て、仏具・什器の引っ越しや設えの準備を進めています。
一方、庫裏・開基堂では、解体に先立つ足場建設のための基礎工事や、建具の取り外し、構造調査など、着実に次の段階への準備が始まりました。

いずれも、職人たちの技と経験、そして関係者の丁寧な連携によって進められています。
本堂の工事中もそうであったように、文化財修理の現場は一つ一つの手仕事の積み重ねです。
小さな部材を直し、金具を磨き、柱一本の痕跡を読み解く——そのすべてが、後世に正しい姿で伝えていくための大切な工程なのです。

■ 文化財を未来へ託すために

大安禅寺は、福井の戦災や震災を奇跡的に免れ、江戸期の禅宗伽藍をほぼそのままに伝える貴重な寺院です。
その保存修理は、単なる建物の修理ではなく、福井の歴史と祈りの文化を次の時代へ渡す営みです。

掲載している写真は、本堂修理の際に記録した職人たちの姿です。
一枚一枚に、手仕事の重みと、文化を支える人の思いが刻まれています。
こうした修理の裏側を見ていただくことで、文化財を守ることの尊さを少しでも感じていただければ幸いです。

■ ネクストゴール、そしてラストスパートへ

皆さまのご支援により、第一目標を達成し、現在はネクストゴール（1,000万円）に挑戦しています。
今年度の修理事業費はおよそ1,400万円。
これから始まる庫裏・開基堂の修理、そして来年度以降へと続く長期の保存修理を見据えると、まだまだ乗り越えなければならない課題があります。

それでも、皆さまの温かな応援の声に励まされ、職人たちと共に歩み続けております。
どうか最後のラストスパート、もう一歩だけお力添えをお願いいたします。
ご支援は、文化財を未来へ確かに託す力になります。

■ 最後に

この修理が完成する日、皆さまに「見守ってくださったおかげでここまで来られました」と胸を張ってお伝えできるよう、最後まで誠心誠意取り組んでまいります。

どうか引き続き、大安禅寺の令和の大修理をお見守りください。
そして、この文化を未来へつなぐ輪に、ぜひご参加いただければ幸いです。

萬松山 大安禅寺
住職　髙橋玄峰　合掌