波板ではようやく高台移転が完了します

 

こんばんは。

ナミイタ・ラボの中村です。

残り5日となり、おかげさまで50％を超えました。

 

今日明日とナミイタ・ラボのメンバーで波板へ来ています。防潮堤への石貼りのワークショップの段取りを詰めるためです。とにかく私たちは私たちにできることをやり続けます。

 

私たちナミイタ・ラボのメンバーが地区の人たちと初めて会った頃は、いち早く自力再建した地区会長の家にみなが集まって、地区の未来について話し合っていた2013年春。その後2014年３月に住宅に先駆けて、波板地区交流センターがオープンしましたが、それでも仮設住宅から30分ほどかけて皆が毎日通っている状態でした。

 

そして震災から5年が過ぎた今年に入ってついに、波板地区に高台移転後の住宅が完成し皆が引越しを始めています。元々21世帯しかない集落で津波の難を逃れたのは4世帯。そして今回新たに戻った世帯は6世帯。それでも地区センターしか見えなかった景色と比べると、やはりこの土地を訪れたことのある人には感慨深い光景だと思います。

 

 

しかし、限界集落という言葉の通り、住むひとのほとんどが高齢者。このまま行けばこの集落が無くなってしまうことは目に見えています。もちろん私たちも、そして地区の人たちも、人口が大きく減っていくこの日本で、全ての集落が存続するとは思っていません。無くなってしまう集落もあるのでしょう。

 

それでも当たり前のことだと思いますが、自分たちがこの生まれ育った集落を残す術を探しています。そして外部からこの土地を訪れた私たちも、この集落には残る価値があるのではないか、どこかにその方法があるのではないかと思っています。

 

私たちが出会ったのは"たまたま"波板という集落でした。そしてこの土地で出会った人たちの情熱が私たちの活動の原動力です。しかし、これはもちろん波板という土地固有の話ではありますが、この先も、今日時点でも、日本の多くの集落が直面する問題であるはずです。

 

ナミイタ・ラボは、限界集落をどうしたら持続可能にできるかというケーススタディでありたいと思っています。今回のつむぐ防潮堤のプロジェクトはその持続的な取り組みの中のひとつです。全国画一的な景色ではなく、その土地土地の景色をつくり遺すことが持続する上でのひとつのキーワードであると思っていて、今日までの活動の中で、多くのひとに共感いただけることなのだと確信しています。

 

残り５日間で50％と、いささかスロースターターも過ぎるのかもしれませんが、どこかナミイタ時間で動いているようなところもありまして（笑）、私たちは最後まで奇跡を信じています。未来へ続けるためのひとつのきっかけを、結果はどうあれ、今回多くの人たちからいただいた応援の言葉を胸に私たちは続けていきます。

 

どうか最後まで温かい目で見守っていただければと思います。本当にありがとうございます。