一年を振り返って

「また地震が起きなければいいね…」

仕事納めの日、そんな言葉を同僚と交わしながら帰路につきました。

明日で、震災から1年となります。震災を経験してから、1月1日を迎えることが怖くなってしまいました。

年明けに目の当たりにした全壊の工場、片付けを進める中でいただいた励ましの声、そしてクラウドファンディングでの多くのご支援…。たくさんの方々の助けによって、こうしてまた仕事ができる日々を迎えられています。

この1年、支えてくださった皆様に心から感謝いたします。本当にありがとうございました。皆様の支えがなければ、今の自分はなかったと強く感じています。

振り返れば、この1年は激動の日々でした。震災直後は、自分のことで精一杯でしたが、周りの人々が誰かのために動く姿を見て、尊敬と感謝の気持ちが生まれました。そんな中、自分は助けられてばかりで、無力さを痛感した瞬間も多くありました。

それでも、この経験を通じて確かに気づけたことがあります。それは、「当たり前の生活がどれだけ貴重で幸せなものだったか」ということです。震災を経験するまでは、平穏な日常のありがたさを深く考えることもありませんでした。でも今では、「普通の日常」がどれほど貴重で幸せなものか、心から実感しています。家族と過ごし、安心して眠れる毎日。それだけで本当に恵まれているんだと感じます。

これからも、この感謝の気持ちを胸に抱きながら前を向いて進んでいきたいと思います。そして、同じように苦しさを抱えながらも乗り越えようとしている方々と、気持ちを分かち合いながら歩んでいけたら幸いです。