子どもたちが楽しく、自分らしくいられる場所を目指して｜キャンプ100人招待プログラム第二弾開催

山中湖100周年記念事業の「キャンプ100人招待プログラム」第二弾は、外国にルーツを持つ子どもたちを対象に実施しました。

外国にルーツを持つ子どもたちは、生活に必要な情報を得ることが出来ない「言葉の壁」、母国とは異なる法律や教育システムなどに戸惑う「制度の壁」、文化や生活習慣の違い、コミュニケーション不足によって誤解や偏見が生まれる「心の壁」を抱えていると言われています。

各自治体で「日本語支援」がありますが、日常会話だけでなく、授業についていくための学習言語を身に着けるには十分でありません。日本語がわからず授業中ただ座っているだけだったり、その辛さから不登校になってしまったり、友だちと遊べないといった課題を抱えています。

そんな彼らが日本で楽しく暮らせること、自分の将来を諦めずに選択できるように日本語学習だけでなく、仲間づくりや体験の機会、心を開くことができる居場所づくりの一つとして、キャンプを開催しました。

キャンプには、ウクライナ、ネパール、モンゴル、中国にルーツを持つ小・中学生20名、そして12名の学生・社会人のボランティアが参加。

初日は、意思疎通がうまくいかずにコミュニケーションで息詰まる場面もありましたが、グラウンドで共にボールを追いかけ、声を合わせてカヌーを漕ぐ中で少しずつ仲間意識が作られていきました。

一方で、同じ言語で固まり、母国語が異なる子どもが輪の中に入れないということもありました。

「言葉の壁で仲間に入れない辛さや悲しさは、皆が日常生活で感じたことがあるはず、このキャンプではそんな疎外感や諦めの気持ちを味あわせないようにしよう」という投げかけがされると、その後は、日本語がわかる子が通訳し、母国語で話したことも説明がされるなど、子どもたちの態度や気持ちに変化が見られました。
自分の国の手遊びを全体に向けて紹介する場面もあり、夜のキャンプファイヤーは皆で大盛り上がり。

とても楽しい時間となりました。

たった2泊3日ではありましたが、子どもたちは友だちに対しても自分自身に対しても大きな成長を見せ、改めてキャンプの持つ力を感じました。

子どもたちが楽しく、自分らしくいられる居場所づくりの必要性、そして「違い」を受入れ、お互いに相手を積極的に理解しようとするこのプログラムの重要性を感じています。

＜参加者が描いたイラスト＞