本堂修理の足跡

子どもたちと共に体験する伝統の技

皆様のおかげさまで順調にご支援が集まっております。心より感謝申し上げます。
当初よりネクストゴールも視野にいれており、さらに精進してまいりたとい思います。

さて、これまで大安禅寺では、保存修理の過程を広く皆様に知っていただくため、修理現場の特別公開や体験イベントを毎年企画してまいりました。

その内容と様子をお伝えしたいと思います。

本堂では、次代を担う子どもたちに伝統の技を体感してもらおうと「土壁塗り体験」を実施しました。解体の際に取り外した当時の土壁は大切に保存され、藁を加えて練り込み、発酵させた荒壁用の土が再び活用されています。

体験の場では、その独特な土の匂いに子どもたちが驚きながらも、「こんな素材で建物ができているなんてすごい」「昔の人の工夫を感じる」といった感想を口々に話してくれました。

不慣れな手つきながら、左官職人の指導を受けながら一生懸命に土を塗る姿は、伝統を受け継ぐ尊さを体感しているようで、とても頼もしく映りました。先人たちが残した技術に触れ、楽しそうに取り組む子どもたちの姿に、未来への希望を感じたひとときでした。

今後は、修理が進む庫裏や開山堂・開基堂においても、こうした特別公開事業を実施してまいりたいと考えております。

また来年には修理を終えた本堂を活用した特別な「デジタルアート」イベントも考えています。

大安禅寺の歴史や文化財修理の魅力を、多くの方々と分かち合いながら未来へとつなげてまいります。

大安禅寺　髙橋玄峰　合掌