みんなでつくる、いっしょに生きる。「いつもあいてる」日本語教室
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寄付総額

7,272,000

目標金額 5,000,000円

寄付者
723人
募集終了日
2024年10月31日

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2024年10月20日 12:00

クルドの若者が見た日本⑤「その後の変化、そして現在」 (全5回)

400人以上にお申込みいただき、大きな反響があったクルド人の若者・メルバンさんの体験談を、講演録のかたちで5回に分けて掲載します。

 

5日間毎日一話ずつアップします。

今回は最終回、前回夢にまで見た在留資格を得たメルバンさん、在留資格を得てからの生活はどう変わったのでしょうか。どうぞお読み下さい。

 

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第1回 来日、父の収容、不登校   >>

 

第2回 入管で植え付けられた絶望、苦労の末の大学進学   >>

 

第3回 仮放免者の制約   >>

 

第4回 在留資格を得た日   >>

 

第5回 その後の変化、そして現在   >>

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第5回 その後の変化、そして現在

皆さんは「在留カードをもらえるだけじゃん」と思われるかもしれないんですけど、私は今まで夢も諦めたし、埼玉県と大学と(入管のある)品川しか知らなくて。友達も全然できなかったんですよ。大学にも本当に数人しか友人がいなくて、例えばご飯とかに誘って一緒に行こうとなっても結局県外移動が制限されているから行けなくて、それがすごく辛かったんですよね。

 

県外にも行けるし、あとバイトもできるんですよね。それまでは、洋服も本当に34着しかなかったんですよ。大学に行くのも家族に迷惑かけていて、これ以上私がお金使うのは嫌だと思って。ずっと同じ服を着ていて、友達にも「ずっと同じ服じゃん」って言われることがあったんですけど、バイトもできないから買えないんですよ。自分で服を買いたいということも言えないんですよ。大学まで行かせてもらってるから。

 

でも自分の買いたいものもたくさんあったんですよね。サッカーのスパイクとかは1足買ってもずっと使って、結局スパイクがなくなって、ランニングシューズとかでやってたんですけど、やりたいことがいっぱいあって、でも1つもできないんですよ。

 

病院にも行けるんですよね。22年にコロナに感染したんですけど、その時病院に行ったら結局薬代とかで1万円以上かかってしまったんですよね。その後またコロナに感染したんですけど、その医療費も例えば自分たちの家族の食費に使えるお金なので、自分で治そうと思って病院に行ってないんですよ。検査自体も行ってませんし、部屋に閉じこもって1週間ずっと部屋にいて。それ以外にも怪我しても病院で多額のお金がかかってしまうので行かないようにしていたんですよ。

 

でもやっと病院に行けるようになったんですよ。これって本当にすごい幸せなことで、それまでは全然何があっても重症じゃない限り倒れたりしない限り病院はダメだったんですよ。例えば手が痛いとか腰が痛いとかそういうことがあっても病院には絶対行かないって決めていて、でも今は本当に頭が痛いとなったら病院に行けるんですよ。これは本当に私にとって嬉しいことです。

 

あとそれに加えて、弟たちが私のように夢を諦めなくても良くなったんですよね。二人とも今もサッカーやっています。ちゃんとサッカー選手になりたいという夢を目指していて、真ん中の弟はすごい頑張ってクラブチームに入ったんですけど、私は結局仮放免でサッカー選手の夢を諦めてしまって、すごく辛かったんですよ。本当に生きる希望はもちろん家族が私にとって一番大きな希望なんですけど。

 

でも自分が子どもの頃、将来18歳になったらクラブチームに入ってサッカー選手になるとか想像するじゃないですか。今の自分を鏡で見るとすごい嫌な気持ちになるんですよ。今はまあまあ回復してるんですけど、以前はすごい嫌な気持ちになったんです。ずっとサッカー頑張ってずっと夢を追いかけたのに、結局これかってすごい嫌な気持ちになって。すごく辛かったので、この気持ちを二人は絶対味わわないでほしいと思っていて、私にとってこの在留資格をもらって一番嬉しかったことが、弟たちが私のようにならなくて良かったっていうことです

 

あとはもう1つが、将来的な目標を立てられるようになったんですよね。もともとサッカー選手になるという夢を立てて、先ほど言ったようにすごく嫌な経験をして、本当に生きる希望を失って生きることが楽しくないと思っている時期が結構続いて、そうなると仮放免者だからいつ強制送還されるかわからないし、いつ収容されるかわからない状態なんですよね。

 

結局将来的な目標を立てても、どんなに頑張っても入管職員が言ったようにお金と時間の無駄っていう気持ちを持っていたので、例えば大学でも将来どういう仕事に就くのかとか話すんですよね。でも私はあんまり考えたくないんですよ。結局その時は将来を想像できなかったので、短期的な夢を立てていて、例えば1週間後はこれやる、例えば2日後はこれやるってずっと短い夢で、それもすごく辛いんですよ。

 

周りの人はみんな何歳で結婚してとか、何歳でこの仕事をするとか、サッカーの社会人チームに入るとかそういう計画をして話しているのに、私は1週間とか2週間とかその程度の話しかできなくて、結局これも本当に私にとって辛くて、ずっと目指すものがないとやる気も出ないんですよね。自分は何で生きてるんだって思うこともあって、私は家族がいたから家族が生きがいにはなったんですけど、家族がいなかったらどうなってたかわからないし、サッカーも夢を諦めて、将来の目標も立てられない状況になってしまって、本当にすごくつらかったんですよ。

 

だけど今は将来的な夢を立てることができるんですよ。在留資格があって、ちゃんと夢を持てるようになったんですよ。計画を立てて、その仕事につけるように頑張れるようになりました。これは本当にものすごく嬉しいことで、人生が楽しくなるんですよ。追いかけてるものがあるから、何もかも楽しくなるからやる気も出ますし、成績も大学12年生とかに比べてすごく上がっていて、よくなったんですよ。

 

本当に最近はずっと幸せで、在留資格を持ってることが嬉しくて、過去に仮放免者だったときのことを思い出すとちょっと嫌な気持ちになるんですけど、頑張って大学に通い続けて良かったって思うことがあります。最後に現在私が何をしてるかについてお話をしたいと思います。

 

そして現在

私は現在、大学に通いながら蕨でクルド人の日本語学習や学校の宿題、テスト勉強、受験勉強を手伝う仕事をしています。この仕事を始めたきっかけは、子ども達が家では親と話すため、日本語を習得する時期が遅くなってしまうことが多いからです。

 

そうなると友達を作る機会も逃してしまい、勉強にも追いつけなくなってしまって、結局学校をやめる人がいます。私自身は小学校の時にサッカーのおかげもあって友人に恵まれ、日本語を友人に教えてもらいました。

 

例えば、クラスの女子がドアを閉めて「今ドア閉めた」と言って私に「じゃああなたも言ってみて」とジェスチャーで教えてくれることがありました。それを続けた結果、私自身も勉強する意欲がどんどん増してきて、話したい、理解し合いたいという気持ちが強くなり、勉強するようになりました。

 

でも、その機会や経験が全員にあるわけではないので、この教室では来てくれた子どもたちにまず日本語を教えて、その上で学校の宿題を手伝ったり、例えば一緒に日本語で会話して、日本人のスタッフとも話してもらっています。学校に行っても日本人の友達にも気軽に話しかけられるようになってくれたらすごく嬉しいなと思います。

 

それ以外にも子どもたちだけでなく、母親たちにも日本語を教えています。今20人以上が来ていて、その人たちは全員日本語を学びたいけど、学ぶ場所をずっと探している人たちです。短期的な教室に通った人もいるんですけど、最終的に私たちのところに来てくれて、今すごく一生懸命日本語を学ぼうとしています。

 

その理由というのも、日本社会でこれから生活していきたいということもありますし、自分の子どもの成長過程で自分もできることをしたいという人が多いからです。日本語ができないと、授業参観でも子どもが何をしているか分かりませんし、会議があってもわからないので、大きな言語の壁があります。その壁を一緒に日本語を勉強することで超えられると信じています。

 

女性だけでなく、もちろん男性にもたくさん教えています。先ほども2人組の中学生のクルド人がいたんですけど、最初12回来てその後は来ないかなと思っていたんですけど、毎日必ず来てくれて、一緒に勉強して日本語で話して、その後家に帰るというのをやっています。

私が小学生の時にこの機会があったらすごく嬉しかったなと思いながら、今の小学生に私ができることをやりたいと思っていて、そのためにこの活動も今後続けていきたいと思います。

本当にご清聴ありがとうございました。

 

 

 

===

 

メルバンさんの経験を通じて、在留資格によって、安定した法的地位を得られることの大きさを改めて感じますが、日本で生活していくうえで、外国にルーツをもつ子どもたちにとって、日本語教育をサポートする機会が大切であることも感じて頂けたのではないでしょうか。

メタノイアではメルバンさんも勤務する日本語教室を運営しています。ただ語学を教えるだけでなく、メルバンさんのように同じルーツをもつスタッフもいるため、子どもたち一人一人に寄り添うことを大切に考えており、なにかあれば相談もできるような場です。ぜひこの活動にご共感を頂き、寄付を頂けますと幸いです。

 

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 クラウドファンディングに挑戦中!
 終了まで残り11日、10/31(木)まで
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みんなでつくる、いっしょに生きる。「いつもあいてる」日本語教室

https://readyfor.jp/projects/metanoia2024

 

・目標:500万円
・実績:216万円 
・残り:284万円 ※2024/10/20 時点

 

 

◎例えば、1万円の寄付で、8時間分/名の日本語授業を届けられます。

 

 

▼今すぐ寄付する(クレカ・銀行振込、利用可)
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メタノイアへのご寄付は税制優遇の対象で、確定申告により最大約40%が戻ってきます。

 

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ギフト

3,000+システム利用料


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3千円コース(1人分の日本語テキスト代)

■活動報告(メールにて2025年10月までにお送りします。)
■寄付金領収書のお届け(2025年1月に発送します。)

申込数
264
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2025年10月

5,000+システム利用料


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5千円コース(1人分の日本語レッスン4時間分)

■活動報告(メールにて2025年10月までにお送りします。)
■寄付金領収書のお届け(2025年1月に発送します。)

申込数
186
在庫数
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発送完了予定月
2025年10月

3,000+システム利用料


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3千円コース(1人分の日本語テキスト代)

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発送完了予定月
2025年10月

5,000+システム利用料


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5千円コース(1人分の日本語レッスン4時間分)

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